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はじめまして!

  (最新記事は一つ下をご覧ください。)

こんにちは、ハルです。
自宅の一室で、1対1、ONE on ONE の学習室を開いています。

え? キャリアですか?

教え始めて、何年になるかなぁ。
初めて家庭教師の生徒を持ったのが、大学1年のときだから・・・
(年齢がバレるのでここから先はヒミツにしておきましょう。)

途中、何年かのブランクはあったけれど、
フツウの家庭教師にフツウの塾講師、
自分の子どもと友人の子どもをまとめての子守り学習会。
他県に住む知人の娘さんの短期集中出張家庭教師に、
大手塾の授業じゃ物足りないという秀才高校生くんとの
こちらも緊張感いっぱいの受験勉強会。
初めて習った英語がサッパリわからなくて学校に行けなくなった女の子の家庭教師に、
それまでトップクラスだった成績が少しだけ落ちたことをクラスメートにからかわれて
学校にいけなくなった女の子との勉強会。

いままでに関わった子どもたちの数は・・・
スミマセン、思い出せません。
でも、“いっぱい”です。

今回ふと思い立って、ブログを立ち上げることにしました。
難しいことは書きません。
私自身のことや、子どもたちとの印象に残るできごと、
日常の中で見つけた、ほっとする一コマや笑える一コマを
書いていこうと思っています。
よかったら、お付き合いくださいね。(2013年2月記す)


≪最新記事はこの下からです。↓↓≫
 

卒業

桜咲く春。卒業と入学、そして進級の季節です。
去年の初めにハルの生徒となったHちゃんも、間もなく高校生になります。

Hちゃんが初めてハルのところにやってきたのは中学2年の1月。それまでは他の塾に通っていたHちゃんですが、おばあちゃんの家の玄関に置かれていたハルの塾のチラシを見つけ、その場で言ったそうです。「おばあちゃん、わたしここに行きたい!」

Hちゃんは学校の数学の授業では完全に『置き去り』にされている子でした。ハルのところに初めてやってきた頃のHちゃんは、小学校で習ってきたはずのかけ算やわり算の解き方があやふやで、200×200=や1000×10=といった問題もひっ算でなければ解けない状態。1000-400=とか700+500=といった問題もすべてひっ算です。ところがひっ算ならば大丈夫かというと決してそうではなく、小数が出てこようものならまったく解けません。分数も2分の1+3分の2=5分の3と自信をもって答えてくれます。数学(算数)の学力的には小学校2~3年というところでしょうか。こんな状態ですから中学数学の正負の計算や文字式の計算など完全にお手上げです。中学に入ってからの数学の定期テストの点数は常に1桁。その数点も偶然の産物だったそうです。

そんなHちゃんは、学校の授業中に指名されたときにピンチを脱する方法を身に着けていました。それは涙。指名されると何も言わず、ただポロポロと涙を流します。学校の先生は泣く子に長く関わっていられるほどヒマではありません。「はい、じゃあ次の人。」とわからなくて泣いていた子がいたことなど忘れたかのように授業を進めてくれます。わからないことを咎められるわけでもなく、かといってじっくり説明してくれるわけでもない。この泣いている1人のために他の30人を超える生徒を犠牲にはできない。これが学校の現状です。

そんなHちゃんですから、ハルのところに初めて来た日から泣きっぱなし。数学の問題に「これ、どう?」と聞くだけで無言でポロポロと涙を流します。この過去に経験のないパターンに初日の最初の15分こそ戸惑ったハルでしたが、わからないことで叱られないために涙を流していることがわかってからは、ただひたすら「今はわからなくてもいいんだよ。わからなくて何回同じことを質問しても、ぜったいに怒ったりしないから。」をくりかえしていました。

当時中学2年のHちゃんでしたが、理解力は小学校2~3年程度。基礎が理解できてないところに中学の学習内容を詰め込むのでは、いずれ破綻することはわかりきっています。だからまずは小学校レベルの計算練習から始めることにしました。この時、1年とちょっと前、Hちゃんとハルに味方をしてくれたものがありました。それはコロナ。コロナの拡大で学校は休校が続き、家庭学習用に課題プリントは渡されていましたが、当時のHちゃんの実力では解けるはずなどありません。そこで学校から課されている毎日6時間の自宅学習のうちの半分を、計算練習に充てることにしました。ハルのところで1回解いてみて、できるようになった問題を自宅で繰り返し練習します。同じ問題を最低5回。ミスが多ければ10回でも20回でも、とにかくできるようになるまで繰り返します。

そして半年後。Hちゃんの真面目に計算プリントに向かう姿勢が功を奏しました。中3の前期中間テストの数学の点数は38点。「え、それだけ?」と言うなかれ。一桁からのスタートですからね。それも偶然の産物ではなく、ちゃんと理解して取った点数。「こんな点数見たことない!自分が取ったことが信じられない!」と誰よりも驚いていたのがHちゃん本人でした。

それからのHちゃん、無言で涙を流すことからはなかなか脱却できませんでしたが、それでも少しずつ、ほんの少しずつ、小さな声で「これ、わかりません。」と言うことができるようになり、卒業前の1ヶ月はほとんど(まだゼロではありませんでしたが)泣くことはなくなっていました。

将来のために技術を身につけたいし、腰が痛い、ヒザが痛いというおじいちゃんやおばあちゃんの役に立ちたいから、介護や福祉の道に進みたいというHちゃん。希望する進路につながる学校への進学も決まって、その顔は明るく輝いています。

来週は入学式。環境が変わるのを味方にして、涙ポロポロからも卒業できるといいね。ちょっとだけ泣かなくなって、ちょっとだけ強くなったHちゃんに幸あれ!!

2021.04.03 | | コメント(0) | トラックバック(0) | ある日の学習室



『わからん』の真実

小学校3年生のGちゃん、前回の記事でも書いたように算数の文章問題が苦手です。といってもそれは算数以前の問題。Gちゃんは問題文を読むことが嫌いなのです。今日はそんなGちゃんのあきれる、でもたくさんの小学生が一度はやろうとしそうなエピソードを紹介することにしましょう。

ある日のクラスでハルはGちゃんに宿題を出しました。次回のクラスまで2週間あったので、かなり多めの量の宿題ですが、Gちゃんにはこう伝えておきました。

 : 「宿題、けっこうたくさんあるからね。
     全部できなかったら残してもいいけど
     最初からきちんと終わらせていくんだよ。」
 : 「わかった~~。楽勝だよ

そして2週間後、Gちゃんはこう言いながら問題集を提出してきました。
 : 「ぜんぶやったよ。

が・・・、案の定です。
Gちゃんの問題集は見事な虫食いつまみ食い状態。単純な計算問題は解いてありますが、文章問題は大半が空白です。消しゴムで消した跡さえなく、全部にご丁寧に『わからん』と書いてあります。最初から考える気などまったくないことが手に取るようにわかる解答欄。

試しにハルの目の前で『わからん』と書かれている問題を解かせてみると、何の問題もなく解くことができています。

 : 「うん、それで合ってるね。
     ここに『わからん』って書いてあるけど
     何がわからなかったのかな?」
 : 「今日はわかるけど、家でやったときはわからんかった。」
 : 「そうなのね。
     じゃあこっちの問題は?これも家ではわからんかったの?」
 : 「そう。」

実はGちゃん、宿題をぜんぶ終わらせたら大好きなYouTubeを見てもいいと言われていたそうです。なので面倒くさそうな文章問題はぜんぶ『わからん』ことにして、「これはわからんから今度ハル先生に教えてもらう。」とお母さんに言うのが最短でYouTubeに到達する道だと知恵を絞ったわけです。

Gちゃんが『わからん』と書いてきた文章問題の中には、確かにちょっと難しい(というより問題文が長い)問題も何問かありました。

 : 「この問題もわからんかったの?」
 : 「・・・。」

なぜか無言のGちゃん。
 : 「これ、問題文は長いけど難しい問題じゃないよ。
     この問題、覚えてる?
     これのどこがわかりにくかったのかなぁ。」
 : 「・・・。」

やはり無言のGちゃん。
そこでちょっとだけ『脅し』てみることにしました。

 : 「そっか。わからないところが自分ではわからないんだね。
     じゃあ、どこがわからないのかを確かめなきゃね。
     そろそろ4年生で習う算数の勉強も始めようかと思ってたけど、
     それは後回しにして、
     もう一度3年生の問題を最初からやり直すことにするね。」

ハルは知っていました。Gちゃんは早く4年生の予習をしたくてたまらないのです。クラスの他の子たちがまだ習っていないから解けない問題をカッコよく解くのは、まさに『カ・イ・カ・ン!』。でも現実の自分は解けない側にいて、それがどうしようもなく悔しい。1日でも早くカッコイイ側に行きたいGちゃんですから、ここでまた3年生のやり直しなんて絶対に避けたいはずです。


 : 「長い問題読むのは面倒だから、3行以上ある文章問題はやらないことにしてた。」  
なにやらボソボソとつぶやくGちゃん。

 : 「え? なに??」
 : 「問題読むの面倒だから、
    3行以上の長い文章問題は
    やらないことにしてただけっ!」



最近間違いなく増えていますね。文字が苦手で動画や画像漬けの子どもたち。彼らにとっての知識の源はインターネットで、調べ物の宿題を出そうものならネット上の文章を抜き出して貼り付け(抜き出した文章の内容を自分なりに理解しようとするプロセスは省略です)それをプリントアウトして完結です。彼らは人としての経験値でさえ、ネットにアップされている他人の経験動画を見れば上がると思い込んでいます。そういえば何年か前にテレビ番組で取り上げられていた記憶があります。いくつかのネット上の論文を抜き出して自分の卒論として提出していた大学生がいたことが。これ、当時は大学生の問題でしたが、いまでは小学生にまで若年化してきているようです。


さて件のGちゃんはというと、ハルからは次の学習日までの算数の宿題に『わからん』禁止令が、お母さんからは当面のYouTube禁止令が出されたことは言うまでもありません。でも果たしてちゃんと宿題をやることの意味がGちゃんに分かっているのかどうか・・・。アヤシイですね。
とにかく楽して教室のヒロインになりたいGちゃんとのバトルはまだまだ続きそうです。

2021.02.18 | | コメント(0) | トラックバック(0) | ある日の学習室



キーワード

久しぶりの更新です。ずいぶんと間があいてしまいました。この間に卒業や進学で何人か生徒も入れ替わりましたが、今も変わらず子どもたちに時に笑わされ、時に驚かされる学習時間を過ごしています。

今日は小学校3年生のGちゃんの話です。学校ではすでにたし算、ひき算、かけ算、わり算を習っているGちゃん。先日こんな問題を前にして固まっていました。

みゆきさんは625個のおはじきをもっています。
妹に180個分けてあげると自分のおはじきは何個になりますか。


決して難しい問題ではありません。625-180、単純なひき算の問題です。でもGちゃんはというと、式の欄に625÷180=と書いて固まっているのです。それもそのはず、学校ではまだ1桁の数で割るわり算しか習っていないのですから。

ここでGちゃんにアドバイス。
 : 「Gちゃん、もう一度問題をよく読んで、その式でいいかどうか
     考えてみようか。」
 : 「ちゃんと読んだよ。これであってる。でもこんなわり算できないよ。」
 : 「そうだよね、こんなわり算の解き方はまだ習ってないよね。
     もしかするとその式が間違っているかもしれないよ。
     もう一回問題をよく読んでみようか。」
 : 「ちゃんと読んだよ。式はぜったいに合ってるよ。
     だって学校でわり算でやるんだって教えてもらったもん。」

自信満々のGちゃん、その自信はどこから来るのだろうと考えてみました。
そして・・・

 : 「Gちゃん、その問題と同じことやってみようか。
     でも625個のおはじきはないから他のものでね。
     ここに12本の色鉛筆があるよね。ここから5本、Gちゃんに
     分けてあげるね。
     さあ、わたしの色鉛筆は何本になった?」
 : 「7本。」
 : 「そう、7本だね。じゃあ今の計算を式に書いてみようか。」
 : 「12-5・・・でいいの???」

ひき算で答えが出せてしまうことに納得のいかない顔のGちゃん。彼女がこの問題はわり算で解くと主張するのはこれが理由じゃないかと思い当たったことをGちゃんにぶつけてみたら案の定でした。

小学校でたし算やひき算、かけ算やわり算の文章問題を習うとき、学校ではいくつかの『キーワード』を教えます。たとえば『あわせて』という言葉があればたし算で、『ちがいは』とか『のこりは』があればひき算で解けばいいと教えるわけです。同じように『分ける』という言葉があればわり算になると学校で教わってきたGちゃん、問題文の『妹に分けてあげると』の部分を読んで迷うことなくわり算の式を作ったわけです。

多くの子どもたちが苦手だという文章問題。『キーワード』を知っていると確かに文章問題は解きやすくなります。解くスピードも速くなります。でもそれは言ってみれば小手先の技術。文章を読んでいるのではなく文字を読んでいるだけなのですから。それよりも、特に小学校3~4年生くらいまではじっくりと問題の文章を読み、問題に書かれている内容を頭の中に思い浮かべて、その情景からどんな式を作ったらいいかを考えるということをさせていきたいものです。算数の文章問題を解く力は言い換えれば問題文の読解力。読解力を上げるには語彙力・思考力はもちろんのこと、想像力をアップさせることも必要です。低学年のときにこれをちゃんとやってほしいものですね。そうでないと学年が上がって問題文自体が難解になってくると、手も足も出なくなってしまいますから。

2021.01.17 | | コメント(0) | トラックバック(0) | ある日の学習室



それは、愛

ネットで見つけた画像です。

 不可


『不可』

禁煙なんか簡単なことさと言いながら、
まったくタバコをやめる気のないハルの夫TAKさんに・・・不可!
イイ年なのに結婚して自立する気のないハルの娘にも・・・不可!

パンデミック宣言下なのに花見で騒ぎ、
深夜の居酒屋ではしゃぐ危機意識の欠落した若者に・・・不可!
在庫があるのはわかっているけれどと言いながら、
食品や紙製品の買い占めに東奔西走するオバサマたちに・・・不可!


がんばってはいるんだけど、わかっていない自分を誤魔化してわかった振り。
そんな生徒たちにはキビシク・・・不可!
どうせオレなんか・・・が口癖の君。その卑屈な態度は・・・不可!
質問された問いへの答えがわからないとすぐに泣く彼女にも・・・不可!


ついでに、痩せなきゃ運動しなきゃといいながら
つい甘いものに手を出してしまうハル自身にも・・・不可!


ダメ出しすること、されることがいっぱいの毎日。
懲りない人たち、懲りない自分。


でもこれは・・・

『不可』は・・・



見方を変えれば、『LOVE』。
不可は愛なんだそうです。

 愛


今日もまた『不可』をもって『愛』をもって
ガンバロー!!

2020.03.28 | | コメント(0) | トラックバック(0) | ちょっとブレイク



メンドクサ・・・

玄関のインターホンを新しいものに替えました。カメラ付きのインターホン。大きな声じゃ言えませんが、これで明らかにセールスや宗教の勧誘とわかる来客には『居留守』を使うことができます。
新しいインターホンには厚さ1センチほどの取扱説明書がついてきました。でも機器を取り付けてくれた電気屋さんの説明でほぼ使い方はわかります。読まなくてもいいやと放置していたら機械大好きな理系の夫が取説を手に取り、いろいろな付加機能の確認を始めました。そして・・・

 : 「お前、これちゃんと読んだのか?」
 : 「読んでない。」
 : 「ちゃんと読めよ。停電したときの扱いとか必要だろ。」
 : 「メンドクサイ。読まなくてもとりあえず使えるし。
     どうしても必要になったら、そのときに読むよ。」


自分でこう言って、その言葉でかつての生徒Mくんのことを思い出しました。
以前にこのブログにも書いたことのあるMくん。英語の長文問題を本文を読まずに解こうとして、「本文読まずに感覚で解いても30%くらいは合ってるし、下手に本文読んで解くよりも正解率高いから。」と平然と言ってのけた彼です。

日本語でも英語でも、とにかく長文読むのはメンドクサイ。数学の計算するのもメンドクサイ。英単語やイディオム覚えるのもメンドクサイ。毎日の学習記録をつけるのもメンドクサイ。休みの日に早起きするのもメンドクサイ。
とにかく自分の好きなこと以外は何もかもがメンドクサイだったMくん。
順調にいっていれば今ごろは就活真っ最中のはず。今もメンドクサイって言いながら会社説明会やインターンシップに走り回っているのでしょうか。


インターホンの取説を読めといわれて、ついメンドクサイと言ってしまったハル。
Mくんのことを思い出して、思わず苦笑いの休日の午後だったのでした。

2020.03.01 | | コメント(0) | トラックバック(0) | ちょっとブレイク



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